ブログ

所員ブログ

事業再構築補助金の収益計上時期

こんにちは

コロナ、コロナ!もうこの言葉を聞くだけ、鈍くなっています。そう言ってもみんなしっかり感染防止してくださいね。コロナ禍でいろいろな補助金がでてきますが、今回事業再構築補助金の収益計上時期についてご紹介いたします。以下、税務通信3670号よりです。

コロナ禍における中小企業者等の事業再構築等を後押しするため,一定の要件を満たした場合に,中小企業基盤整備機構が対象経費の補助をする「事業再構築補助金」( №3642 , 3650 )。同補助金の収益計上時期については,一部の実務家の間で交付額確定前のタイミングで計上する見方があったが,事業者が提出した補助事業実績報告書をもって交付額が確定した事業年度で行うこととなる。

一部の実務家の間で計上時期に別の見解も

最大1億円が交付される同補助金の対象は,中小企業基本法で定める中小企業者等及び資本金の額等が10億円未満の中堅企業等。【参考1】の要件を満たした場合に,6つの事業類型に応じた補助金額及び補助率の範囲内で,事業用資産に係る対象経費が補助される。事業予算に応じて今年度は5回程度の公募を予定している中,現在までに計2回の公募が終了し,計4万3,031件の応募があったという(うち採択件数は計1万7,352件)。第3回公募は8月30日から受付中で,公募期間は9月21日18時まで。同補助金HPから電子申請のみで受け付けている。

事業者はまず電子申請により事業計画書等を事務局に提出。同計画が採択された場合に同計画に基づく必要経費の交付申請を行い,交付決定後に設備等の購入等を行う。事業実施後は実績報告を行い,交付額の確定後に請求した補助金が支払われる。

この点,同補助金については,対象経費の補填という見方ができることから,一部の実務家の間では,コロナFAQ(5-問7 法人が交付を受ける助成金等の収益計上時期の取扱い)における“特定の経費を補填するもの”の考え方に基づき,交付額確定前である交付決定時の事業年度において費用等を計上する必要があるのではないかという疑義が生じていたようだ。

【参考1】事業再構築補助金の要件

① 2020年4月以降の連続する6か月のうち,任意の3か月の合計売上高が,コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少しており,2020年10月以降の連続する6か月間のうち,任意の3か月の合計売上高が,コロナ以前の同3か月の合計売上高と比較して5%以上減少していること

② 認定経営革新等支援機関等と事業計画を策定して事業再構築に取り組むこと

③ 補助事業終了後3~5年で付加価値額(※)の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加,又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成

※ 付加価値額とは,営業利益,人件費,減価償却費を足したもの

助成金等の収益計上時期は,収入すべき権利の確定時

法人が国や地方公共団体から支給を受けた助成金等の収益計上時期は,「収入すべき権利が確定した事業年度」となり,具体的には,「支給決定時の属する事業年度」( 法法22 ②④, 法基通2-1-42 (注))が原則となる。

同補助金の場合,経費補填という性質はあるものの,必要経費は交付決定時に入金されず,あくまでも補助事業実績報告書の設備投資等にかかった費用の証憑類の提出をもって事務局が支払の適切性等を確認し,補助金額が確定した後に精算される。そのため,仮に,交付決定日と交付額確定日において期ズレが生じた場合には,同補助金に係る収益計上時期については,交付額確定時の事業年度に収益計上することとなる【参考2】。

 

PAGE TOP