賃貸建物に係る立退料・解約金の可否

【事例】

建物(事務所・店舗)の賃借人または賃貸人が受け取る次のような立退料や解約金は、消費税の課税対象になるか。

(1) 甲社は、事務所ビルを賃借していたが、ビルが老朽化したため、 家主から建替えを理由として立退料を求められた。両者で協議の上、甲社は、家主から1,000万円の立退料を受けることとなった。

(2) 不動産貸付業を営む乙社は、貸店舗の賃借人が自己の都合により賃貸借契約の中途で立ち退くこととなったため、契約条項に従って、解約日(立退きの日)から契約期間の終了日までの間の5ヶ月間の解約金を収受した。

■ポイント■

  • 借家の立退きに際し、その賃借人が受け取る「立退料」」は、その性格によって次のように区分できる。上例(1)の立退料については、これらのいずれに該当する場合でも、消費税では、課税資産の譲渡等には該当しない(消基通5−2−7)。
区分 立退料も性格 消費税の扱い
@賃借権の消滅に対する補償 賃借人が家屋等を明渡すことによって消滅する対価としての補償金 一種の損害賠償金として
課税対象外
A収益補償 立退きに伴う営業の休止等により生じた収益の補償や給与支払などの損失の補償金
B移転費用の補償 賃借人が家屋等を明渡すための移転費用として支払わなければならない費用の実費補償金
(注) 建物の賃貸借契約を解除することなく、その賃借人の有する賃借人としての地位を賃貸人の第三者に譲渡し、その対価として立退料等を収受した場合は、建物賃借権の譲渡に係る対価として、消費税の課税対象になる(上記通達の(注))
  • 上例(2)の解約人は、それを収受する基因となった期間について賃貸していないこと、賃借人の都合による中途解約であり、賃貸人乙社の損失(得られるはずであった収益)の補てんとしての性格を有すると考えられることから、一種の損害賠償金として課税対象外となる。