損害賠償・違約金の課否

【事例】

次のような場合、収受した損害賠償、違約金、クレーム処理金は、消費税の課税対象になるか。

(1) A社は、貸ビルを所有し、店舗及び貸事務所として貸し付けている。賃貸借契約に反したテナントがいたため、退去を要求したが、その期限までに退去を行わなかった。契約条項に従って月額賃料の3ヶ月分相当額を損害賠償金として収受した。

(2) B社は、特別仕様の工作機械をメーカーから購入したが、機械の仕様の一部が発注内容と異なっていた。相手方に回収を要求したところ、B社において使用不能ではないことから、機械代金の値引きをすることで合意した。値引き代金を収受したが、B社は、クレーム処理としての損害賠償金であると認識している。

(3) C社は、生鮮食料品の仲卸業者であるが、商品の輸送中に運送トラックが事故を起こしたため、納期の遅れを理由として納品先から引き取りを断られた。そこで運送業者に請求し、損害賠償を収受した。

■ポイント■

  • 損害賠償金については、対価性がある場合は課税、対価性がない場合は、課税対象外となるが、次のうように区分されている(消基通5−2−5)。

  • 上例の(1)は、損害賠償金として収受しているが、その実質は、不動産の明渡しにより賃貸人から受取る割増賃貸料に該当する。したがって、対価性があるため、消費税の課税対象になる。
    上例の(2)は、購入した機械が使用可能ではないため、対価性のない損害賠償とはいえない。その機械代金の値引として、消費税では仕入れ対価の返還等になる。
    上例(3)は、損害賠償金の目的となったものが生鮮食品であることから、軽微な修理によって商品として使用できるものではない。したがって、この場合の損害賠償金は課税対象外となる。