2以上の事業場を相続人が分割して承継した場合の納税義務の判定

【事例】

被相続人は、貸ビル(貸事務所)を2棟所有していたが、本年8月死亡した。貸ビルのうち1棟(Aビル)は、相続人甲が収得し、他の1棟(Bビル)は相続人乙が収得した。
AビルとBビルの賃貸収入は、次のとおりであるが、相続人甲及び乙について、消費税の納税義務はどうなるか。なお、甲及び乙とも給与所得者であり、相続開始前は事業者ではない。
  〔Aビル〕 〔Bビル〕
・相続開始の前々年 900万円 1,200万円
・相続開始の前年 800万円 900万円
・相続開始の年
相続開始の年1月1日から相続開始日まで
相続開始日の翌日から12月31日まで

600万円
500万円
(⇒甲相続)

500万円
400万円
(⇒乙相続)
この場合、Aは、相続開始日の翌日から12月31日までの300万円の賃貸収入について、消費税の納税義務があるか。

■ポイント■

  • 被相続人が2以上の事業場を有していた場合に、2以上の相続人が各事業場ごとに分割して承継したときは、被相続人の相続開始の年の基準期間における課税売上高のうち、各相続人が承継した事業場に対応する金額により、消費税の納税義務の判定を行うことになる(消法10B、消令21)。
相続人甲(Aビル) 相続人乙(Bビル)
相続開始の年 納税義務なし
(900万円≦1,000万円)
相続開始の翌日から
12月31日までの課税売上高
(400万円)について、
納税義務あり
(1,200万円>1,000万円)
相続開始の翌年 納税義務なし
(800万円≦1,000万円)
納税義務なし
(900万円≦1,000万円)
相続開始の翌々年 納税義務あり
(600万円+500万円=
1,100万円>1,000万円)
納税義務なし
(500万円+400万円=900
万円≦1,000万円)