相続があった場合の納税義務の判定

(1) 給与所得者である個人Aは、本年10月に父から貸家(貸事務所)を相続により 収得した。 貸家の賃貸収入(税抜課税売上高)は、次のとおりである。
相続開始の前々年
1,800万円 
相続開始の前年
1,600万円 
相続開始の年 1月1日から相続開始日まで
1,400万円 
相続開始日の翌日から12月31日まで
300万円 
  この場合、Aは、相続開始日の翌日から12月31日までの300万円の賃貸収入について、消費税の納税義務があるか。

(2) 個人事業者であるB(免税事業者)は、本年5月に父に相続が開始したため、免税事業者であった父の事業を承継した。B及び父の事業に係る課税売上高は、次のとおりである。

Bの相続開始の年、その翌年及び翌々年の消費税の納税義務は、どのようになるか。

■ポイント■


(1)について
相続があった場合において、その年の基準期間における課税売上高が、1000万円を超える被相続人の事業を承継したときは、その相続人の相続開始日の翌日からその年の12月31日までの間における課税資産の譲渡等については、消費税の納税義務は免除されない(消法10@、消基通1-5-1)。
したがって、上例(1)の相続人Aは、相続開始日の翌日から12月31日までの間の課税売上高300万円について消費税の納税義務がある。


(2)について
相続人が被相続人の事業を承継した場合に、@相続開始の年は、相続人と被相続人の基準期間における課税売上高のうちいずれか1,000万円を超える場合、A相続の翌年及び翌々年においては、相続人の基準期間における課税売上高と被相続人のそれとの合計額が1,000万円を超える場合は、消費税の納税義務は免除されない(消法10A、消基通1-5-4)。
したがって、上例(2)のBの納税義務は、次のように判定される。


  • 相続開始の年 ・・・・・・ 納税義務なし
    (被相続人の前々年の課税売上高 800万円≦1,000万円)
  • 相続開始の翌年 ・・・・ 納税義務あり
    (700万円+600万円=1,300万円>1,000万円)
  • 相続開始の翌々年 ・・ 納税義務あり
    (300万円+800万円+400万円=1,500万円>1,000万円)