事業用資産を自家用に転用した場合の調整対象固定資産の取扱い

【事例】

個人Zは、衣料品販売業を営んでいるが、今般、店舗を新築したため、3年前に収得した店舗を改築して住宅に転用した。住宅に転用した店舗の取得に係る消費税については、3年前の収得時に仕入税額控除の適用を受けている。
今般の転用に際して、調整対象固定資産に係る仕入税額控除の調整を要するか。

■ポイント■

  • 固定資産に係る消費税額は、その収得時において即時控除されるが、次の場合は、調整対象固定資産(一収得単位の税抜価額が100万円以上の固定資産)として、仕入税額控除の調整を行うこととされている(消法2@十六、33@、34@、35、消令5、53、消基通5−3−2、12−3−1〜2)。
    @ 調整対象固定資産に係る消費税額について、一括比例配分方式で課税仕入れに係る控除税額の計算を行っていた場合において、課税売上割合が著しく変動した場合。
    A 課税仕入に係る控除税額を個別対応方式により計算していた場合において、課税業務用の調整対象固定資産を非課税業務用に転用したとき。
    B Aの場合において、非課税業務用の調整対象固定資産を課税業務用に転用したとき。
  • これらのうち、Aは「課税業務用 ⇒ 非課税業務用」の場合であり、Bは「非課税業務用 ⇒ 課税業務用」の場合である。したがって、個人事業者の自家用への転用について、調整対象固定資産に係る仕入税額控除の調整は要しない。
(注1) 上記@における「課税売上割合が著しく変動した場合」とは、その調整対象固定資産を収得した課税期間以降3年間において、課税売上割合が50%以上変動し、かつ、その変動率が5%以上の場合をいう(消令53@、A)。
(注2) 調整対象固定資産の転用の場合の控除税額の調整は、次による(消令34@、35)。
課税仕入れに係る
消費税額から控除する金額
(課税業務用⇒非課税業務用)
課税仕入に係る
消費税額に加算する金額
(非課税業務用⇒課税業務用)
1年以内の転用 控除済税額の全額 消費税額の全額
2年以内の転用 控除済税額の3分の2相当額 消費税額の3分の2相当額
3年以内の転用 控除済税額の3分の1相当額 消費税額の3分の1相当額