事業の意義と課税事業者の選択の可否

【事例】

給与所得者である甲は、5年前から自宅に隣接する土地にアスファルト舗装と白線で区画した駐車場を整備し、車6台分の賃貸収入を得ていた。
甲は、この他にも空地を所有しており、その土地を利用して店舗兼事務所用の建物を建築して賃貸することとした。本年10月に建物が完成し、賃貸事業を開始した。そこで甲は、建物の建築に係る消費税の還付を受けるため、本年12月に、適用開始年を本年とする「課税事業者選択届出書」を提出した。

■ポイント■

  • 新たに事業を開始した場合には、その開始課税期間から課税事業者を選択することができるが(消法9Cカッコ書き)、この場合の事業を開始した課税期間とは、「事業者が国内において課税資産の譲渡等に係る事業を開始した日の属する課税期間」をいう(消令20一)。
  • 住宅の賃貸など非課税資産の譲渡等のみを行っている場合は、事業の開始には該当しないが、上例の場合、駐車場の賃貸という課税資産の譲渡等をすでに行っているので、店舗・事務所の賃貸は、新たな事業の開始には当たらない。
    したがって、上例の「課税事業者選択届出書」の効果は、翌課税期間から生じるので、建物の建築に係る消費税の還付は受けられない。
(注) 上例の場合、建物の完成と賃貸を開始する日(本年10月)の前日(9月30日)までに、課税期間を3ヶ月(10月1日〜12月31日)とする「消費税課税期間特例(変更)選択届出書」を提出すれば、消費税の還付を受けられる。ただし、この届出書を提出した場合は、課税期間の短縮が2年間強制適用される。