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誤りやすい法人税・消費税の個別事例の実務検討

建物と土地とを一括して譲渡した場合の建物の譲渡の対価の額

事例

土地と建物とを一括して譲渡し、その売買契約書には、「土地100,000,000円、建物0円、計100,000,000 円」と記載されています。この売買は、土地を取得することが購入側の目的です。したがって、購入側は1年ほどで建物の解体に着手するようです。こちらは売却側ですが、すべて非課税売上げとして問題がないか判断に窮しています。
先方が、いわゆる土地の取得が目的であれば、こちらも「建物0円」として申告してよいと思うのですが、いかがでしょうか。
土地と建物とを一括して譲渡した場合には、その対価の額を合理的に区分することとされていますが、この「建物0円」とされているのは、合理的に区分されていないということになってしまうのでしょうか。

【解説】

消費税法上、事業者が課税資産と非課税資産とを同一の者に対して同時に譲渡した場合には、課税資産の譲渡の対価の額に相当する部分のみが課税となることから、それぞれの資産の譲渡の対価の額について合理的に区分(例えば、通常の取引価額や取得価額の比等により区分)されているときは、その区分されている金額がそれぞれの資産の譲渡の対価の額となりますが、それぞれの資産の譲渡の対価の額について合理的に区分されていないときは、これらの資産の譲渡の対価の額をそれぞれの資産の時価の比により区分することとされています (消法 28(4)、消令 45(3)、消基通 10−1−5、11−4−2)。

このことから、事例の場合、事業者が建物と土地とを同一の者に対して同時に譲渡した場合には、それぞれの資産の譲渡の対価の額について合理的に区分することとなりますが、その建物が老朽化等していて資産価値がなく、本来売主においてその建物を取り壊して土地として買主に譲渡すべきところ、その建物の取壊しを売主が買主に委ねている実態にある場合はともかく、そうでなければ、建物と土地とを同一の者に対して同時に譲渡した場合において、その土地の取得を目的とすることを理由として「建物0円」とすることは、それぞれ の資産の譲渡の対価の額について合理的に区分されているとは言えないと考えます。


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